岩泉町(岩手県)災害支援レポート

2016年台風10号災害支援
NPOほうれんぼうの森 小島力塚本いとく小島洋児が岩泉町の支援に参加しました。各方面からそれぞれ声をかけあい多くの有志が集まりましたが、まだまだ復旧には程遠い状況です。

岩泉町は大変な状況でした。

我々、長井さん、塚本いとくさん、小島力さん、小島洋児チームは、前日の夜に、東日本大震災支援の拠点である宮城県三本木に立ち寄り現地の仲間たちから支援物資を山ほどもらい、2016年9月17日の朝(途中、他のチームと会ってエールを交換したりしながら)岩泉町に着きました。

出発前から連絡を取り合っていた現地の方に、我々が泊まれる空き家を案内してもらったあと、災害の被害を受けた純木家具の工房に入りました。
広い工房内は、分厚い泥のカーペットで覆われていました。上流から回り込んだ濁流が工房内を抜けて、この部屋から脇を流れている川に抜けたそうです。

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午前中いっぱい我々+助っ人一人では、いくらがんばってもなかなか捗りません。
ですが、純木家具工房の方達は、笑顔いっぱいで応対してくれるので、気を楽にして作業できました。

昼は、あちこちから一緒にと誘われたのですが、まつやのお弁当をいただきました。
午後は、向町にある民家の泥出しです。

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目の高さに、泥水の線があります。

次の現場は、我々チームの3人には荷が重く、2時間前にギブアップ。
この家の向かいの家が、私たちの知った方(盟君)の家でした。ボランティアの人たちが6〜7人はいましたが、時間がきたようで、すぐ、次のところへ移動していきました。
盟君の話では、2階の自分の部屋だけは大丈夫だったが、1階は泥だらけで、建物は壊さなくてはならないと言っていました。

その後、知り合いの方のお店に、珈琲を飲みに寄ってみると、いとくさんと小島力さんが、店の品揃えに大興奮で、いくつか買いまくっていました。
特に、力さんは椅子を2脚も買って、支援物資を降ろしたハイエースに積み込んでいました。

店の前で、猫が静かに哲学してました。

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その日はその後、純木家具に戻り片付けのつづきです。

愛山でお風呂に入った後、カホクで食事中に、別チームと合流。
夜は、9時には寝てしまって、朝まで私はぐっすりだったのですが、小島力さんは、夜中に起き出して、久慈の町までドライブしたそうです。
いまどきの徘徊老人(俺よりひとつ若いけど)は、車を使うから気をつけないといけないね。

18日 起きると、私の腰が固まって動かない。

小島力さんに無理矢理パンツを下げられ、生まれて初めてお灸をすえられた。熱かった。

7時に、コンビニのサンドイッチで朝飯をすませ、まだ誰も来ない純木家具へ。

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腰を痛いことを理由に、濁流で傾いた柱をどう応急処置するか、の案をスケッチする。
そのうち、元柔道部とかのチームが登場し、仕事は一気に捗る。

昼は、先日とは違う知り合いの店へ。スパゲティが美味しかった。
そのお店の被害は、奇跡的に土間だけだったそう。

昨日、大きな古民家が浸水したので見てほしいと言われていたので、文政年間に建てられたという家を見る。

その家の奥さんに案内していただくが、とにかく明るい。

家の中に泥水が出口を探して、渦を巻いていたらしい。
一カ所をぶち破って抜けたあと、泥の中に魚がいたのよ、と我々へのサービス精神を忘れないのがすごい。

畳も通常(6センチ)の倍くらいあったので運び出すの大変だったらしい。
この床梁りの大きさも半端でない。
でも、ここまで水を含んでしまえば、どうにもならないか。
壊すのにも、500万以上はかかりそうだし。

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このあと、民家の泥出しの昨日の続きを、長井さん、いとくさんと半人前の私とやってみるが、とても終わらない。
しかも、泥の臭いがかなりきつくなったので、ここでギブアップする。

その後、純木家具で、別で動いていた小島力さんと合流して、3人で最後のお手伝いをする。

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少し、片付いたように思うけれど、仕事するには、まだまだしなくてはならないことが気の遠くなるほどある。
帰るにはしのびないけど、5時にはお暇する。

愛山で風呂に入り、龍とら亭で食事をし、8時に寝て、夜中の12時に起きて、1:45分に出発する。
高速を使わないで、下の道だけで、三本木に朝6時に着き、玉子かけごはんをごちそうになり、幼児教育家の石井さんをのせて、早めにスタートし、12時過ぎには大宮近くまできたのだけれど、急に、評判の揚州ラーメンを食べることになり、これがまた絶品で、最後の締めになりました。

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10月には、再度、岩泉に行きたいと思います。

目的は、

  1. 純木家具工房の改修案の図面を渡す。
  2. 石巻で浸水した家の現状と対策例を専門家からお聞きし、そのデータを持っていく。
  3. 浸水した岩泉の家をできるだけ多く見て、それぞれへのアドバイスができるかどうか。
  4. 岩泉町のこれからの住まい方の提案をする。

などです。

報告:NPOほうれんぼう理事 小島 洋児